Perfect World [Cockroach Eater/ZIP-0031]
販売価格: 2,381円(税別)
(税込: 2,619円)
重み: 120g
商品詳細
中川統雄と木ノ脇道元が共同プロデューサーとして主催する電子音楽ユニット・Cockroach Eater。これまで実験的かつ斬新なアプローチでライヴを繰り広げてきたユニットの1stアルバムです。レギュラーメンバーの竹山愛、相川瞳に加え多彩なゲストミュージシャンが彩りを添える意欲作が完成した。ジャケット美術に新進気鋭の画師・岡本瑛里を迎えている。
Cockroach Eater "Perfect world" 7.10.2009
Innovative contemporary composer/musician/vocalist Nakagawa Norio and Japan's top flutist Kinowaki Dogen have been collaborating since they were students – a period of about two decades. Now they have decided to move forward through the formal musical project that is Cockroach Eater. For the pair this was an opportunity for substantial experimentation on electronic music using computers. The album also features live, acoustic elements, one of which is Nakagawa's voice. His idiosyncratic vocal style – which he calls ‘juon’ (shamanistic voice) – sounds so mechanical that it is difficult to recognize as a human voice recorded live without editing. Guest musicians include Takeyama Ai (flute, vocal), Yonekura Kaori (composition) and Sato Norio (guitar). They exhort listeners to "enjoy a musical labyrinth where electronic and acoustic sounds, classic, contemporary and pop, art and music, all become entangled in an extraordinary and unusual manner."
【演奏者】
ヴォーカル:中川統雄
フルート:木ノ脇道元 竹山愛
ギター:佐藤紀雄
パーカッション/ビブラフォン/歌:相川瞳
二胡:王名君ベース:菊池雅晃
尺八:入江要介
バック・ヴォーカル:古田土明歌
【商品情報】
タイトル:Perfect World
アーティスト名:Cockroach Eater
発売日:2009年7月10日
発売元:ジパングプロダクツ株式会社
価格:¥2,619(税込)
品番:ZIP-0031
フォーマット:CD
JAN:4582271150364
-------------------------------------------------------------------全曲試聴できます
1. Psycomaster
作詞:中川統雄 作曲:中川統雄
2. Radio Pekinoise
作曲:木ノ脇道元
3. 閉じられた森
作曲:米倉香織
4. 狂言qabbalah
作詞:中川統雄 作曲:中川統雄
5. Tormented Pain
作詞:中川統雄 作曲:中川統雄
6. What Power art thou
作曲:ヘンリーパーセル
7.Paranoid Sinfonia
作詞:中川統雄 作曲:中川統雄
8. 仙人掌之惑星
作曲:木ノ脇道元
9. Lithops
作曲:中川統雄
10. Perfect World
作曲:中川統雄
Recorded:Studio246
(2009/7/10)
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【共同プロデューサー・中川統雄】
今までソロ名義のVairÖcanaでは2枚アルバムをリリースしていて、それぞれ満足している事、反省している事、やりきった事、やり残した事など色々あるんだけど、悔しいと言うか癪に触る事もあって、それは実際ちゃんと歌っているのに打ち込みだと思われる事。その不満をどうしようと考えた結果が「だったらライヴで聴かせたらええやん」って事になったわけ。
少し話が遡るけど、アルバムを作るというのは、今までのありものの曲をリリースする場合は違うけれど、新曲でリリースする場合はアルバム内で完結する事も可能なんですね。つまりライヴなんか無視して、例えば生音は使うけど人間には演奏不可能な音や、パッセージを使いまくって曲作りに終止する事だって出来る訳。僕は音楽自体が目的でそれ以外は全てが手段という考えだから、人間の演奏だって必要条件だとは考えていない。音楽のクオリティだけを考えれば、理論上、人間様が実際にライヴで出来るか否かと言う事を考えなければならないのは、単に足手纏いになるだけで極めてネガティヴなこと。でもそれはあくまでも理論上の話で、極めて論理的な思考の持ち主で且つその思考に嗜好も追随出来ている人間にのみ通じるシンパシーだ。例えば僕のオリジナル唱法「呪音」。この呪音をスピーカーから聴いて人間の声だとわかる人はほぼ皆無だろう。少なくとも僕の事を知らない人に聴かせた場合100%そうだった。正体不明の音があった場合、人は全くもって無責任な事に、「機械か何かがやってるんじゃないの?」と感じ、決めつけている事が圧倒的に多い。呪音の場合もそうだ。なんか変な気味悪い音が聴こえる、程度の認識が殆ど。しかし「呪音」を目の前で実演してみせると、トラック内に入っている「呪音」は突如として評価が上がる。何もトラック内の呪音の音が変化した訳ではない。聞き手が「ああ、この変な音は人間が実演してるんだ、編集もしていないんだ」と思っただけなのに。僕は以前この不条理をどうしたものかと思い悩んだ。
それの答えが先ほど書いた「だったらライヴで聴かせたらええやん」になったわけ。当たり前だと思う人がいるかも知れないが、実はこれは大変な事で、全然当たり前の事なんかじゃない。何故なら今までライヴ無視で作曲していた(その方が音楽のクオリティ自体は理論上絶対に高いから)音楽をライヴ用に作り替えたり、何より考え方をガラッとかえないといけない。パラダイムシフトと言っても良いレベルでだ。そういう思いがあって、自分のやりたい音楽をライヴでやるには凄い演奏力、パフォーマンス力を持っていて、かつ作曲も出来る人間がパートナーとして必要だ。そうなればかれこれ20年来の付き合いになる木ノ脇道元しかいない、と僕の中で決まっていた。最も新しい音楽を制作しながらも、それを形而上の世界だけではなく、再現不可能だと考えられる技量を必要とするものさえもライヴで再現する事。僕と道元ならそれが可能だし、それこそが僕たちの優位性だ。
【共同プロデューサー・木ノ脇道元】
数多くの音楽関係者とつきあっていても、Cockroach Eaterの共同プロデューサー・中川統雄ほど優れたバランス感覚で、およそ関係のなさそうな素材をつなぎ合わせ、聴いたことのない音を創りあげる音楽的アイデアに恵まれた人はそうざらにはいない。学生時代、生楽器のために作曲してた頃も際立ったものを作っていたが、中川の音楽を爆発的に発展させたのはコンピュータとの出会いだったと思う。音楽の才能と同じくらい、数学的感覚に優れた彼にとって、コンピュータが理想のツールであるのは必然だと思うが、コンピュータ草創期の実験とは違って、ある程度完成された形で彼の前に現れたということが現在のCockroach Eaterの音楽の内容を決定付けているように思う。
ユニット名の「Cockroach Eater」は中川が2005年にVairÖcana 名義で出したCDのために、僕が作曲した上で中川がリミックスした「Eat the Cockroach Eater」という曲名に由来する。このネーミングは「Cockroach Eater」が、その方向性を「コラボレーション」という方法論に強く委ねている象徴でもある。第1作の今作では多くの優れたサポートミュージシャンが参加している他、ジャケット美術に新進気鋭の画師・岡本瑛里を迎え、複雑な世界観に更に奥行きを与えるコラボレーションが試みられている。
7月2日のライブでは、サポートミュージシャンの中から凄腕ベーシスト・菊地雅晃がゲストとして参加。ジャケット美術担当の岡本瑛里の作品展示でジャケットの原画を見ることも出来ます。電子音と生楽器、クラシックと現代音楽、ポップミュージック、音楽と美術、様々な要素が奇っ怪に絡み合う迷宮的ミクロコスモスがCockroach Eaterの持ち味。お楽しみいただければ幸いです!
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【中川統雄 プロフィール】
東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。同大学院修士課程修了。日本音楽コンクール第二位及びE.ナカミチ賞受賞。『PSYCHOMANIA』がユネスコI.R.C.にて1996年度の日本代表曲に選出され世界各国の国営放送局にて放送される。商業音楽でも活動し最近では浜崎あゆみのアルバム『MY STORY』でアレンジに参加している。『現在奈良女子大学講師』
HP( http://ameblo.jp/music-h-jayer/ )
【木ノ脇道元 プロフィール】
日本のフルート演奏史の中でもトップクラスのテクニックを持つフルーティストとして、主に現代音楽の分野で活動、今や日本の現代音楽界に欠くべからざる存在である。〜第8回出光音楽賞受賞者発表より〜
フルートを武田又彦、金昌国、細川順三の各氏に師事。92年秋吉台国際現代音楽セミナーにて招待演奏、94年夏にダルムシュタット国際現代音楽祭に参加、ファーニホウのレクチャーにて《Unity Capsule》を、受講生コンサートにおいて川島素晴氏の《Manic Psychosis》を演奏し奨学生賞を受賞。同年秋、ピアニスト大井浩明氏とのデュオ"Duo Dogen"で、東京現代音楽祭室内楽コンクール〈競楽〉で第1位となる。受賞の翌年、同世代の作曲家への委嘱作品のみのコンサートを東京文化会館において開催、好評を博す。これまでに、大野和士-東京フィルハーモニー交響楽団、十束尚宏-東京シティフィルハーモニック管弦楽団、秋山和慶-東京交響楽団、岩城宏之-東京交響楽団、小松一彦-新日本フィルハーモニーオーケストラ、新星日本交響楽団等と共演。
98年第八回出光音楽賞受賞、アリオン音楽賞奨励賞受賞。
99年、東京オペラシティー文化財団の主催(発案・武満徹)のコンサートシリーズ「B→C」に参加、作曲家福井知子氏との共同作業によるソロコンサートを行なう。同年7月、アリオン音楽財団主催「東京の夏」音楽祭にて、作曲家川島素晴氏をフィーチャーした内容のソロコンサートを行なう。同年11月毎日新聞社主催「毎日ゾリステン」では、フルート・ソロによるコンサートを企画、「独演」という形で即興演奏を交えた演奏会を行なった。
アンサンブル・ノマド、アンサンブル・コンテンポラリーαメンバー。その他独奏、室内楽を通じて、同世代の音楽を中心に活動中。
公式オフィシャルサイト( http://kinowakidogen.com/ )
【ジャケットアート担当 岡本瑛里 プロフィール】
1987年生まれ。2006年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学。via art osaka 2008にて観客賞第2位、via art 2008 EFDにて観客賞第一位、山本冬彦推薦賞受賞。ワンダーシード2009入選。人々が豊さを求めるうちに失った心、そこから発生した問題などを解決し得る、「今、この時代にこそ思い起こされるべき物語」の表現に努めている。主に油画、鉛筆画などの絵画作品で活動しているが、動きによってのみ表現できることの探索にも魅力を覚え、「動く動画」を目指したアニメーション制作も行っている。http://ellieokamoto.deviantart.com/