商品詳細
【ペルソナ[カルメン・マキ/ZIP-0030]】
販売価格:2,800円
(税別)
(税込:3,080円)
重み:120g
カルメン・マキ40周年記念アルバム。瞬きひとつで10年が過ぎ、瞬き四つが川のように流れて道ができた。1969年、ひとりの少女が寺山修司の「時には母のない子のように」で鮮烈デヴューした。40周年の今、原点に立ち返り新たに旅立つ。<ペルソナ=仮面>を剥ぐ!!!1951年、日本人の母とポーランド系のアメリカ人を父に鎌倉で生まれたカルメン・マキは、17歳の時寺山修司の主宰する劇団・天井桟敷の「書を捨てよ、町に出よう」(新宿厚生年金会館)で初舞台を踏んだ。続いて先の歌手デビューがあって幾星霜がすぎた。そんな育ての親である、異能の歌人にして詩人でもあった故寺山修司に「戦争は知らない」という幾多の歌手に歌い継がれた佳曲がある。原曲を歌って以来、何故か封印して来たカルメン・マキは、2009年の今、「40周年記念アルバムには是非入れたい」と言った。圧倒的な歌唱力を身につけたカルメン・マキの、聞く人の心に染み渡る世界を御楽しみ下さい。
プロデューサー/大木雄高 HP( http://bigtory.jp/ )
「ペルソナ」〜仮面の下にあるもの〜「どこにもない音楽」「問題作」・・・マスタリングを終えたばかりの、ピカピカのお皿になって出来上がってきた私の新作『ペルソナ』を聴いた、これが黒田さんと太田さんの第一声であった。。。。。昨年の秋、「武生クラシックス」を含む北陸ツアーで大好評を博したこのトリオでの今作は、折しも私の歌手生活40周年というキャッチーなオマケが付いたのは良いが、そのレコーディング直前に私の大切な人を失うというショッキングな事件も重なり、難産の末に生み出された「曰く付き」の作品である。それを物語るかのように、今作には(だいたいジャケットからして地味であることからもわかるように)一般的なイメージからくる●●周年記念というにふさわしい派手さは皆無で、むしろそうしたことに逆行し期待を裏切るかのように重い仕上がりとなった。やはり40周年という意味合いもあって過去の作品、それもあえて一般的にはあまり知られていない、地味ではあるが隠れた佳作を選曲し、曲間には恩師である寺山修司氏や自作詩の朗読を混じえた内容となっている。が、そこに存在するのは過去を彷彿させるノスタルジーではなく、今現在を生きるカルメン・マキの「ペルソナ=パーソナル=個性」に他ならず、音楽的な趣味嗜好、完成度とかいったものとは関係なく、それ以前の、今ここに在る極めて個人的な私自身の、あるひとつの側面が生々しく息づいている。その意味でこれは、ここ近年の私の最高傑作と言っていいかもしれない。心地よい音楽を求める人には不向きとも言えるが。紆余曲折あって、ずっと私を見守り私に付き合って、この愛すべき「どこにもない音楽」「問題作」を一緒に生み出してくれた太田さんと黒田さんには感謝してもしきれない。
カルメン・マキ(Zipangu News Vol.66より)
Carmen Maki "Persona" 7.4. 2009
It all started when Carmen Maki joined experimental theater group Tenjo Sajiki led by Terayama Shuji in 1968. The following year, she made her major debut as a singer with a song featuring lyrics by Terayama. In the 70s she formed Carmen Maki & Oz and reigned over the Japanese rock music scene. Although Oz split up after 5 years, Maki has continued to sing with musicians from various fields. "Persona" was released in 2009, on the 40th anniversary of her debut. Most of the songs for this album were picked from her past work, re- recorded and re-interpreted to reveal her deep, dark and dramatic persona. Some songs feature the lyrics of her mentor Terayama and these sound particularly dismal and melancholy. The 70s - the era when she was Japan's rock queen - are long gone yet her voice is even stronger and captivating.
【演奏者】
Vocal:カルメン・マキ
Violin:太田惠資
Piano:黒田京子
Table:吉見正樹
Aaccordion:佐藤芳明
【商品情報】
タイトル:ペルソナ
アーティスト名:カルメン・マキ
発売日:2009年7月4日
発売元:ジパングプロダクツ株式会社
価格:¥3,080(税込)
品番:ZIP-0030
フォーマット:CD
JAN:4582271150357
-------------------------------------------------------------------全曲試聴できます???
1. にぎわい
作詞:浅川マキ 作曲:かまやつひろし なぜか、「海」や「港町」を題材にして、それも男言葉で歌う曲が多い私のレパートリーのひとつ。
ライブでは1部か2部の頭で歌うことが常である。古ぼけてちょっと猥雑感のある酒場で、グラス片手にほろ酔い加減で聴いてもらうのが似合う曲だと思う。
浅川マキさんとかまやつひろしさんの合作というのも意外だ。
2. 北の海〜人魚
詩:中原中也(北の海)〜 作詞:カルメン・マキ 作曲:春日博文(人魚)
「北の海」は‘08にリリースした全編朗読によるアルバム『白い月』にも収録されている中原中也の詩。
太田さんのヴァイオリンと黒田さんのピアノが、いかにも重く暗い北の海を連想させ、2曲目にしてどこか不穏に包まれた世界へと一変する。つづく「人魚」への前触れとしてぴったりの詩・演奏だと思う。
「人魚」は私のレパートリーの中では最も重要な位置を示す曲のひとつだ。初盤は96年リリースの、春日博文とほとんど2人だけで創ったアルバム「UNISON」。それ以降、ライブではミュージシャンが変わる度にアレンジも変わり、私はもう10年以上もこの曲を歌いつづけている。当初は5分足らずの小品であったが、3部構成でドラマ性の強いこの曲が、今作では吉見征樹さんのタブラソロや後半の黒田京子さんの鬼気迫るピアノソロをフューチャーすることによって正にドラマチックな大作へと甦った。詩、曲共に、他に類を見ない傑作だと自認している。
3. 真夜中の花〜ふしあわせという名の猫
詩:カルメン・マキ(真夜中の花) 作詞:寺山修司 作曲:山本幸三郎(ふしあわせという名の猫)
この2曲のみ黒田さんとのDUO。
ピアニッシモのピアノから始まる「真夜中の花」は、自作詩「A bird &A flower」の中の1部分。孤独を抱え込んだ女性の眠れない夜をイメージした、とでもいいましょうか。
つづく「ふしあわせという名の猫」へ、やや明るめに展開してゆく黒田さんのアプローチが自然で、また全編を通しての女性ならではの繊細さが素晴らしい。ひとり暮らしの、淋しい女の、白い部屋の、窓際にはいつも黒い猫が一匹・・・そんな光景を思い浮かべて聴いてくださればと・・・。
4. LOVESONGを唄う前に
作詞:加治木剛 作曲:春日博文
OZの3rd Albumから。当時、生活の半分を一緒に過ごしたと言っても過言ではないOZの欠かせないメンバーの1人であった作詞家の加治木剛と、他の作品同様何度も話し合って生まれた詩。だから自作詩でないことが驚きともいえる内容である。今回も、この曲のキー・ワードとも言うべき「セルロイドの夢」を彷彿させるアレンジを主体に考えた。それに応えるかのように、切なくて哀しくて、懐かしくもあり、そしてどこか病的な匂いさえ漂うこの詩にふさわしい太田さんのちょっとエキセントリックなエレクトリックヴァイオリンは恐いぐらいだ。
5. 戦争は知らない
作詞:寺山修司 作曲:加藤ヒロシ
「時には母のない子のように」と双璧を成すとも言うべき私の代表曲。多くのアーティストに歌い継がれている寺山修司作詞、加藤ひろし作曲の名曲である。
レコーディング化はこれで3回目だが、今作では私のア・カペラから始まり、つづいて黒田さんの、子供時代のはかなくも甘い郷愁を漂わせるピアノが入り、間奏部では私がアラブでもインドでもトルコでもない私のルーツであるユダヤで、と我儘なお願いをしてしまった太田さんのヴォイスが聴ける。それはこの曲の核心を突くといってもよい重要な役割を果たして、結果、感動的な仕上がりとなった。
6. 海の詩学
詩:寺山修司
いつか形にして残しておきたいと思っていて叶った寺山修司の長編詩。
いつも人からお金で買われていた娼婦が、年老いて今度は自ら海を買いに行くという話である。吉見さんのタブラも加わって、3人が言葉のひとつひとつを大事に捉え反応してくれている。最後の太田さんの悲壮感漂うヴァイオリンが好きだ。
7. 街角
作詞:加治木剛 作曲:春日博文
これもOZの3rd Albumに収録されている1曲。目立たない小品だが私は好んで時々ライブで歌っていた。今作ではアコーディオンの佐藤芳明さんに加わっていただき、この曲の持つイメージがぐっと広がった。
8. ペルソナ
作詞:高橋睦朗 作曲:和田誠
この曲の歴史も古い。1969年、デビュー間もない時期に寺山修司が監修した企画アルバム「アダムとイブ」に収録されている1曲。作詞は現代詩の高橋睦朗、作曲はイラストレーターの和田誠。曲としての区切りがなく、しかもテーマとなるメロディやリズム、繰り返しの部分等も一切なく、イントロからエンディングまでがひとかたまりでしか成り立たないので、やり直す時は常に最初からやらなければならない。
難しい曲で若い頃は意味もよくわからず歌っていたが、ある時期をきっかけに好んでライブでも歌うようになった。ちょっと大袈裟なくらいのイントロとエンディングのメロディ。一歩間違えると変な方向にいかないともかぎらないが、太田さんと黒田さんは堂々と確信に満ちた演奏をしている。これも又、他に類を見ない傑作曲だと思う。
9. 友だち~てっぺん
詩:寺山修司(友だち) 作詞:カルメン・マキ 作曲:鬼怒無月(てっぺん)
「友だち」は私の大好きな寺山修司の詩。完全即興で、ゲストの吉見さんと佐藤さんも入って、みんなそれぞれ面白い試みをしている。そして自由でくだけた雰囲気がそのまま「てっぺん」へと繋がってゆく。 「てっぺん」は今作唯一のオリジナル未収録曲で、ずいぶん前に鬼怒無月さんが曲の素材・モチーフとしてギター1本で弾いていたものに私が詩を付けた。今回はピアノ、ヴァイオリンに加えゲストの吉見さんのタブラ、佐藤さんのアコーディオンという編成で今作唯一の明るく賑やかな仕上がりとなった。新解釈ともいうべき吉見さんのヴォイスパーカッションが曲にメリハリをつけ面白い展開になっていると思う。佐藤さんのアコーディオンも切れが良く見事だ。「てっぺん」を目指しておののきながらも踊るようにして、5人が渾然一体となっている感じが伝われば嬉しい。
10. ジェルソミーナ
日本語訳不明 作曲:ニーノ・ロータ
今は亡き巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の傑作「道」(ラ・ストラダ)の主題歌で世に知ら示めされたニーノ・ロータの名曲。93年リリースの『MOONSONGS』以来の再録である。その『MOONSONGS』ではベースとピアノという編成でアレンジもジャズっぽかったが、今回は原曲に近くシンプルに仕上げた。
佐藤さんのアコーディオンソロのイントロからそのまま1バージョンはアコーディオンのみで歌う。アコーディオンの音色はこの曲にやはりとても合っている。太田さんのヴァイオリンも秀逸。 最後にこの曲をもってきたのも暗示的ではあるのだが、まぁ、それは聴いている人の想像力におまかせするとしたい。 【カルメン・マキ 〜 収録曲について】 (2009.7.4) --------------------------------------------------------------------------------------- 【カルメン・マキ プロフィール】
神奈川県鎌倉市生まれ。東京育ち。父はアイルランドとユダヤの血を引くアメリカ人、母は日本人。(ちなみに1993年に帰化、日本国籍を取得するまでの本名はMAKI ANNETTE LOVELACE。一部で流れている情報は誤りです。)
1968年、都内の某お嬢様系ミッションスクールを高校2年で中退。この頃、新宿や渋谷のJAZZ喫茶やディスコに入り浸るも寺山修司主催の「演劇実験室:天井桟敷」の「青髭」公演にいたく感銘し即入団。8月、新宿厚生年金会館にて「書を捨てよ、町へ出よう」で初舞台を踏む。
1969年、発足したばかりのCBS・ソニーレコードより「時には母のない子のように」で歌手デビュー。ディレクターは後に山口百恵や郷ひろみを育てた酒井政利氏。
1972年、「カルメン・マキ&OZ」結成。「グランドファンク・レイルロード」「ジェフ・ベック・グループ」の来日公演ではサポーティング・アクトを務めツアーにも同行する。
1977年、4枚のアルバムと3枚のシングルをリリースして「カルメン・マキ&OZ」を解散。
1979年、数回の渡米後、カーマイン・アピスのプロデュース、ドラム参加による『ナイト・ストーカー』を発表。
1980年、「カルメン・マキ&LAFF」結成、後に「カルメン・マキ&5X」と改め1983年の解散までに4枚のアルバムを残す
1993年、久保田真琴プロデュースによる子守唄をベースとしたアルバム「MOON SONGS」発表。
1994年、「MOSES」結成。翌95年『VOICE OF MOSES』をリリース。
1996年、元OZのギターリスト春日博文プロデュース、参加による『UNISON』発表。
1998年、後藤次利、笹路正徳、春日博文、朝本浩文、辻仁成、木暮武彦、の6人をプロデューサーに迎え『SPLIT』を発表。しかし長年に渡っての商業 ベースにおける歌手活動についての疑問や不満が拭い切れず、所属していたレコード会社、プロダクションを離れフリーとなる。
2001年、鬼怒無月、勝井祐二、芳垣安洋、松永義孝、と「SALMANDRE」結成。平行して、桜井芳樹、松永孝義、リクオ等とアコースティックスタイルの活動も行う。
2003年、アルバム『SALAMANDRE』発表。
2004年、丸山ももたろう、吉川忠英、SALAMANDRE、をフィューチャ−したアコースティックアルバム『Another Way」』発表。 2007年、板橋文夫、太田惠資とのトリオでライブアルバム『時には母のない子のように2007』発表(@浅草「アサヒ・アート・スクエア」)。
2008年、初の全編詩の朗読によるアルバム『白い月』を発表。 2001年以降、ロックに捉われずジャンルを越えた新機軸を開発すべく、様々なフィールドで活躍するミュージシャン達と精力的に活動している。
HP( http://www.carmenmaki.com/ )
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